マタニティブラっている?いらない? ママのからだはどう変わる?

妊娠してから次第に変化していくママのからだ。バストも変化していくのですが、マタニティブラや授乳ブラは「使う期間が短そう」「今まで着けていたブラジャーで何とかしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「マタニティブラって本当に必要なの?」「マタニティブラと一般のブラの違いって何?」といった疑問を解消するため、創業から120年以上の歴史を持つマタニティ用品メーカーの株式会社犬印本舗(以下、犬印本舗と表記)にお話を伺いました。また、実際にどのくらいの期間マタニティブラを使えるのかもアンケート結果からご紹介していきます。
快適なマタニティライフを過ごすためのブラジャーを考える参考になれば嬉しいです。
目次

■妊娠してから両胸で約1kgも重たくなる!
そもそも妊娠したらバストはどう変化するのでしょうか?犬印本舗のAさんに聞いてみました。

①
1点目は形の変化です。思春期のように前に出て高く大きくバストが育つのとは違い、妊娠中にはバストが外側に向けて大きくなります。
② 2点目はサイズの変化です。アンダーバストは5~10cm、トップバストは1~2カップアップします。

① 3点目は重さの変化です。妊娠中には産後の授乳に向けて乳腺が発達していくためバストがずっしりと重たくなります。妊娠中に両胸合わせて約0.5~0.7kg程度、出産後の最もバストが大きくなるころには約1kg重たくなると言います。

バストを支えているのは「クーパー靭帯」という組織なのですが、このクーパー靭帯は伸びたり切れたりするとバストが垂れる原因になり、一度切れてしまうと元に戻すことは難しいと言われています。クーパー靭帯への負担を減らすため、バストの大きさ・重さが急激に変化する妊娠期間にしっかりと支えておくのがおすすめです。
■マタニティブラと一般のブラって何が違うの?
ここまでで、妊娠中のバストはただ大きくなるだけではないことが分かりました。そんな妊娠中のバストに合わせてマタニティブラはさまざまな機能を備えています。具体的にどんな工夫がされているのか、こちらも犬印本舗のAさんにお話を伺いました。

ポイント① 形
妊娠中には乳腺の発達に伴って外側にバストが大きくなるため、マタニティブラでは乳腺の発達を妨げないようカップが外側に向かって大きい作りになっています。一般のブラがバストを美しく見せるために横からぎゅっと寄せ上げる形状なのに対して、マタニティブラは大きく重たくなるバストを下から優しく支え上げる形状です。
ポイント② サイズ
トップバスト・アンダーバストのサイズ変化に対応できるようカップの容量が大きく作られているとともに、ホックタイプのマタニティブラでは4段ホックを基本としています。
ポイント③ 重さ
重くなるバストをしっかりと支え上げるため、マタニティブラでは幅が広い肩ひもを使用しています。リュックサックの肩ベルトも幅が広い方が肩に荷物が食い込みにくいように、ブラジャーの肩ひもについても幅が広い方が重さを分散し、重くなったバストをしっかりと支えてくれます。
上記の3つのポイントに加えて、多くのマタニティブラでは産後の授乳ブラとしても活躍するように授乳しやすい機能・仕様になっていることや、つわりで締め付けがつらい時期も着用しやすいようにアンダーの締め付けが弱くなっていることも特徴的です。

■どのくらいの期間使う?何枚用意したらいいの?
マタニティブラが必要だと思っても「使うのは短い期間かもしれないし」と、何枚用意すべきか悩む方も多いかもしれません。
そこで、赤ちゃんのいる暮らし研究所でおこなったアンケートの結果をもとにして、マタニティブラはいつからいつまで使えるのか、何枚くらい用意すれば良いのかを考えてみました。
①妊娠中から卒乳まで約2年!意外と長いマタニティブラの着用期間
マタニティブラを使い始める時期は、バストの変化が始まる妊娠3ヵ月以降。産後の授乳に備えて発達していく乳腺を押さえつけず、重くなるバストをしっかり支えられるよう、できるだけ早めにマタニティブラに変えておきましょう。
ここで気になるのは「いつまで使えるのか」ですよね。授乳機能の付いているマタニティブラなら、赤ちゃんが卒乳するまで快適に使えます。また、授乳期間中もまだまだバストは重たいのでしっかりと支え上げることが大切です。
いつまで授乳の機会があるのかアンケートで聞いてみました。すると、1歳0ヵ月~1歳5ヵ月では過半数、1歳6ヵ月~1歳11ヵ月でも約30%の方が授乳されていました。

バストの変化が始まる妊娠3ヵ月からマタニティブラを付け始め、1歳5ヵ月で卒乳すると仮定すると、その期間は25ヵ月。つまり約2年間マタニティブラを使うことになります。意外と長い期間着用するマタニティブラ、ぜひご自分に合うもの・気に入るものを選んでくださいね。
②妊娠中は3~4枚あると安心 産後は授乳で汚れてしまうことも
妊娠中の期間には、通常の洗い替えとして必要な枚数を持っていれば問題なく、合計で3~4枚持っておくと良さそうですね。マタニティブラにはいくつかタイプがあり、おうちで過ごす日やリラックスタイムには授乳が簡単で締め付けの弱いハーフトップ、外出やお仕事用にはハーフトップよりもホールド感のあるノンワイヤーブラやワイヤーブラ、といったように使い分けるのもおすすめです。

産後に授乳が始まると、母乳が漏れてしまったり赤ちゃんがミルクを吐き戻してしまったりとマタニティブラが汚れてしまうことも。1日に何度も取り替える場合があるので、妊娠中よりも1~2枚余裕を持っておくと安心です。また、就寝中に身につけることも考えて、後ろにホックがないタイプもあると便利ですよ。
いかがでしたか?今回は犬印本舗さんにご協力いただき、マタニティブラの必要性について考えてみました。マタニティブラ選びの参考になれば幸いです。赤ちゃんのいる暮らし研究所では今後もさまざまな企業と協力して調査・発信を行っていきます。
<株式会社犬印本舗>
㈱犬印本舗は明治35年(1902年)に創業され、現在マタニティ・ベビー・一般婦人衣料・用品の企画製造販売を行われています。その120年を超える歴史の中で大切にしてきたのは、安全にそしてやさしく、おなかの赤ちゃんと母体を守ること。「妊娠したら、まず犬印」という多くの声とともに、長く広く親しまれています。
赤ちゃんのいる暮らし研究所では過去にもマタニティブラに関する記事を公開しています。「マタニティブラって商品がたくさんあってよくわからない」「自分に合うのはどんなタイプ?」と迷う方も多いかもしれません。ぜひ商品選びの参考にしてみてくださいね。
〈調査概要〉
調査期間:2025年5月23日(金)~5月25日(日)
調査方法:インターネット調査
実施機関:赤ちゃんのいる暮らし研究所
対象:20~44歳のアカチャンホンポ会員
有効回答数:575件
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