2025.11.28活動レポート

ことばが伝わらない時期、お子さまとどう向き合う?

モヤモヤを笑顔に!乳幼児とのコミュニケーション

赤ちゃんとのコミュニケーションは、ことばそのものではなく表情や仕草、泣き声などといった、“ことばにならない”サインを読み解くことから始まります。日々少しずつ成長し、ママ・パパとのおしゃべりを楽しむことができるようになっていきますが、ことばのキャッチボールができるようになるまでは特に試行錯誤の連続ではないでしょうか。

「なんで泣いているか分からない...」
「どれくらい注意していいか分からない...」
「どこで気持ちを発散したらいいんだろう...」
こんな疑問やモヤモヤを抱えるママ・パパは決して少なくありません。

今回、赤ちゃんのいる暮らし研究所では0~3歳のお子さまがいる方を対象に「お子さまとのコミュニケーション」についてアンケートとインタビュー調査をおこないました。調査の結果をもとに、先輩ママ・パパの「お子さまとのコミュニケーションのあるある」や、どのように息抜きをしているかについてなど、リアルな体験談をご紹介します。お子さまとのコミュニケーションを楽しむヒントになれば嬉しいです。

目次

【インタビュー対象者】
≪Aさん≫
 0歳8ヵ月の女の子のママ
 現在は育休中
 育児のモットーは「伝えていくべきことは伝える」

≪Bさん≫
1歳5ヵ月の女の子のママ
 現在は育休中
 育児のモットーは「できるだけ好きにさせる」

■成長を実感!子どもとのコミュニケーションで嬉しかったこと

インタビューではまず、お子さまとのコミュニケーションについて、「嬉しい」「幸せ」など、ポジティブな気持ちになったエピソードを伺いました。

最近あった出来事で、人と会話しているなって思えるようになってきたのが大きいです。大人が話していたら、横で「うんうん」って“会話に入っていますよ”という感じを出してくるんです(笑) あとは、「すきすきして?」って言うと「すきすき」って(ぎゅって)してくれます。それを見ると成長してきたなって思います。日々の関わりっていうのはすごく大切だなぁって思うし、どんどん気持ちは大きくなっている感じがします。
6ヵ月ではよく食べるようになって「まだ(ちょうだい)」って次々食べて、おなかがいっぱいになったら自分でパンって手を合わせてごちそうさまをするのもかわいくて。その後も我が子の成長が目まぐるしくて追い付かなくて...育児書で「大体この月齢の赤ちゃんはこういうことをする」っていうのを読んだのに「え!違うの?」って思いながらもその子らしく育っているからいいなって思って、すごく幸せです。

お二方とも、お子さまのふとしたことばや仕草から「成長」を実感できるのが嬉しいようです。

■初めてづくしで困惑...子どもとのコミュニケーションで大変だったこと

続いて、お子さまとのコミュニケーションについて、「やるせない」「イライラ」など、思わず頭を抱えたエピソードについても伺いました。

1歳1~2ヵ月の頃から、「あれが好き」「これが嫌い」「あれやりたい」「これやりたくない」って生ゴミとかを(ゴミ箱から)全部出すようになっちゃって。どこにでもついてくるし、家中のものを滅茶苦茶にし始めて。
挙句の果てに離乳食を食べさせるときに椅子に座らせようとしたら、暴れて泣き叫んで、作った離乳食もスプーンごと全部投げつけてきて頭から豆腐を被って...そんな無茶苦茶な状況下で、もうやめてよ!ってなりました。それが2ヵ月くらい続いて、当時は疲れ切っていました。

■発想の転換!“イヤイヤ”を経験してみて、こんな考えに至りました

好き嫌いの主張や自立行動は成長段階で自然に現れるものですが、「やってほしくないこと」をお子さまに伝えるのは難しいですよね。ですが試行錯誤を通して、お子さまの気持ちや関わり方のヒントが見えてくるかもしれません。インタビューでは、子どもとのコミュニケーションで最も大変だった時期を乗り越えたきっかけや当時の気持ち・行動についてもお話を伺いました。

こんなに大変になるんだって思った時に、子育て広場などいろんな所に毎日遊びに行って、いろんなお母さん方やスタッフの方からもアドバイスをいただき、「そうか、気が済んだらやらなくなるんだ!」って思って。それが「できるだけ好きにさせる」という今の育児のモットーに繋がっています。例えば私が台所でごはんを作っているときに、(リビングで)ままごとセットで機嫌よくいてくれて、一緒にできることが嬉しいんだなと気が付きました。アドバイスをもらってちょっとずつ工夫するようになって、毎日おでかけしたり一緒のことをしたりと、だんだんとご機嫌に過ごせるようになりました。

最も大変だった時期を改めて振り返り、生まれた気付きについてもお話してくださいました。

「この子のために何かをやってあげないと」って思うよりも、子どもも1人の人間で自分と性格も違うし、違う人として接する方が少し気持ち楽になるんじゃないかと思って。イヤイヤ期は「私とあなたは違う人間だよ」って伝える機会だと思うから、「こうがいい?あれがいい?」っていうよりも「そうしておき(どうぞどうぞ)」って見ておく方が楽じゃないかなとは思いますね。
当時は自分のことを後回しにしすぎていたなと。まずは自分を大事にして、ニコニコ元気に明るく娘に接しないと逆効果だってことに気付きました。
あとは謝らないようにしようと思いました。これまでだったら、「ごはんを作るのが遅くなってごめんね」とか「ママが上手にしてあげられなくてごめんね」とか言う度にママが辛い表情になっていたけど、それだとママをそんな顔にさせてごめんねって子どもに思わせちゃうなって。だから最近は「おむつを替えるのが遅くてごめんね」じゃなくて、「おむつを替えるときに脚を上手にあげてくれてありがとう!替えやすいよ!」って、「ごめんね」の代わりにちゃんと笑顔で「ありがとう」って言う時間を長くしようと心がけるようになりました。

単に『子ども』ではなく1人の人間として接すること、そして『ありがとう』とポジティブな言葉を伝えることなど、大変な経験を乗り越えていくうちに、ママ自身の声かけや行動に変化が現れていったようです。

■育児の息抜き、どんなことしてる?

インタビューの終盤では、ご自身の育児の息抜きについても教えてもらいました。

自分の感情を聞いてほしいだけの時ってあるじゃないですか。聞いてほしいことを家族や友達に、ブワーって言って、「そうだったんだなあ」って返答してくれると落ち着くみたいな感じです(笑)最初に「今、聞いてほしいだけの時なのよ」って伝えておくこともあります。あとは、娘の写真を見返したり、友達と遊びに行ったりして自分の気持ちを落ち着かせています。(それをすることで)もうちょっとこう関わればよかったのかなとか、客観的に考えられるようになって、次はこうやってみようかなって思えるきっかけになるというか。
子どもが寝た後30分とか1時間だけでも、スナック菓子の大袋を開けて好きなだけ食べながらドラマとかアニメを観ます。それでも気持ちがおさまらなかったら、毎朝行く子育て広場のスタッフの方にアドバイスをもらったり、「昨日こんなのをやってしまいました」とか「今日の我が子はこんなに可愛いです」とかいう話を聞いていただいたりします。次に繋がる具体的な行動と、自分の栄養補給をする日々です。

アンケートでは、他にもこんなリフレッシュ方法が寄せられました!

> 高級チョコレートをストックしておいてご褒美として食べる。
> 一時保育を利用して、美容室や1人ランチ、夫とのデートを楽しむ。
> カフェや自宅で勉強する。
> 支援センターで赤ちゃんとヨガ。
> 夫に協力してもらい、週末は1人でゆっくりお風呂に浸かる。月に1度は友人とランチか飲み会に行く。
> 子育て日記を書く。

いかがでしたか?
今回は「子どもとのコミュニケーション」で感じた喜びや戸惑い、そこからの発想の転換、そして子育ての息抜きアイデアまで、リアルな体験をお届けしました。この記事が、忙しい日々のちょっとしたヒントになれば幸いです。これからもどうぞ、ご自身のペースで子育てライフを楽しんでくださいね!

〈インタビュー概要〉
調査期間:2025年6月6日(金)
調査方法:対面でのグループインタビュー
実施機関:赤ちゃんのいる暮らし研究所
対象:0~3歳のお子さまのいるアカチャンホンポ会員
インタビュー人数:2名

〈アンケート概要〉
調査期間:2025年5月23日(金)~5月25日(日)
調査方法:インターネット調査
実施機関:赤ちゃんのいる暮らし研究所
対象:0~3歳のお子さまのいるアカチャンホンポ会員
有効回答数:57件