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【助産師執筆】産後6週
もうすぐ予防接種デビュー!
気になるスケジュールや種類を正しく知ろう

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赤ちゃんとの生活はいかがでしょうか。まだまだ赤ちゃんのお世話で寝不足の日々が続いているかもしれませんが、赤ちゃんの寝る時間も少しずつ長くなってきますからね!
そして、もうすぐ予防接種デビュー。接種券も届き、初めての予防接種にドキドキしている方も多いのではないでしょうか。
今日は、スケジュールや当日の持ち物など、初めての予防接種に向けての情報をお伝えします!

  • ワクチンで防げると明らかになっている病気がある
  • 予防接種はかかりつけ医で受けよう
  • 予防接種デビューは生後2か月から!
  • 当日の体調をしっかりと確認する

詳しく知ろう!予防接種って何?

予防接種とは

予防接種とは、病気に対する免疫をつけたり免疫を強くするために、 ワクチンを接種することをいいます※1。あらかじめ免疫の記憶を付けておけば、本当の病原体が体の中に入ってきたときに、すばやく免疫によって体が守られ、病気が重症化することなく済みます。
また、ワクチンで防げる病気をVPD(Vaccine Preventable Diseases)と呼びます
今も日本では、子どもも大人も毎年多くの人がこれらの、ワクチンで予防できるはずの病気(VPD)に感染して苦しんだり、後遺症を持ったり、死亡したりしているのです※2。防ぐ方法が確立している病気は、しっかりと予防していきたいですね。

定期接種と任意接種ってなに?

定期接種のワクチンとは、「予防接種法」と呼ばれる法律に書かれているワクチンのことです。現在、日本では10種類のワクチンが定期接種として認められています※3。また、定期接種は強く推奨されているため「接種を受けることに努めましょう」という努力義務があります※4
一方、任意接種のワクチンは、国が認めているものの「予防接種法」では規定されていないワクチンのことです。※3

費用はどれくらいかかる?

前述した定期接種のワクチンの場合は、原則、地方自治体から支払われるので、無料で摂取が可能です。
任意接種のワクチンは、接種に必要な費用は原則個人が負担します※3
定期接種を受ける時には、地方自治体から送付されてきた予防接種券を持参する必要があります。接種券には期限があり、期限を過ぎると使用できなくなるので注意しましょう。

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予防接種はかかりつけ医で受けよう!

かかりつけの小児科はもう決めましたか?自宅から無理なく通える距離でかかりつけ医を決めておきましょう。
そうすることで、よく知った医師に診察してもらえ、安心感もありますし、既往歴やアレルギーなどの情報も蓄積されるため、より安全です。
なので予防接種はかかりつけ医で受けることをおすすめします。
生後2ヵ月から予防接種が開始なので、それまでに一度問い合わせをして、予約方法などを確認しましょう。


ワクチンの種類とスケジュール

ワクチンの種類

接種が推奨されるワクチンには次の2種類があります※5

●生ワクチン
生きたウイルスや細菌の病原性(毒性)を、症状が出ないように極力抑えて、免疫が作れるぎりぎりまで弱めたワクチンです。
●不活化ワクチン
ウイルスや細菌の病原性(毒性)を完全になくして、免疫を作るのに必要な成分だけをワクチンにしたものです。

生ワクチンを接種した際には、27日以上の間隔をおかなければ次の生ワクチンを受けることができません。
しかし、次に受けるワクチンが経口生ワクチン、もしくは不活化ワクチンの場合は、接種間隔に制限はありません。
また経口生ワクチンや不活化ワクチンは、接種間隔に制限はありません。
ただし、同じ種類のワクチンを複数回受ける際は、ワクチンごとに決められた間隔を守る必要があります※6

デビューは生後2ヵ月!予防接種のスケジュール

ワクチンによって、接種する月齢や回数、間隔が様々です。
おおむねのスケジュールは、母子手帳などで確認できます。実際の予防接種時期は、かかりつけの小児科の指示に従い進めていきましょう。
赤ちゃんは生後5~6ヵ月頃までは、お母さんからもらった免疫などによって守られています。しかし、その免疫が落ち始める時期から感染症にかかりやすくなります。
つまり、この生後5~6ヵ月頃までに、必要な免疫を獲得しなければなりません。そのためには、生後2ヵ月になったらすぐ予防接種を開始することが必要です※7

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同時接種も必要!

日本の赤ちゃんが0歳で接種するワクチンは種類も多く接種回数は15回以上になります。
接種間隔を空ける必要もあり、一種類ずつでは接種するのがとても大変です。
同時接種の安全性は確認されていますし、副反応も同時接種によりその割合が増えることはありません。
また、複数のワクチンを接種してもその効果が落ちたり、強くなることはありませんので、安心して同時接種を受けることができます※8。効率良く、必要な免疫を付けていきましょう。

2024年4月に新たな定期接種が開始!~五種混合ワクチン・肺炎球菌15価~

2024年4月から五種混合ワクチンと肺炎球菌15価が開始されます。実は四種混合ワクチンから五種混合ワクチンへと変化することで、同時接種の本数が1本減ることになります。赤ちゃんへの効果が同じでありつつも、赤ちゃんへの負荷が少なくなるのはありがたいですね。

①五種混合ワクチン
五種混合ワクチンは、四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)の成分に加えて、ヒブワクチンの成分が追加されます。そのため、2024年4月以降は四種混合ワクチンとヒブワクチンの代わりに五種混合ワクチンを接種します。Ⅰ期の接種回数は4回ですが、4回目の接種は12ヵ月ごろが奨められています。4回目の接種推奨時期を踏まえてスケジュールを組みましょう。 接種方法は筋肉注射と皮下注射の2つの方法があります。

②肺炎球菌15価
肺炎球菌の定期接種は今までもありましたが、予防できる肺炎球菌の種類が7種類(7価)から15種類(15価)に変わったのが大きな変更点です。接種時期は7価のときと同じですが、接種方法は筋肉注射も可能になりました。


ワクチン接種当日の持ち物と流れ

持ち物

  • 予防接種予診票(接種券)
  • 母子健康手帳
  • 健康保険証
  • 乳幼児医療証
  • 現金やクレジットカード(任意接種の場合)
  • 赤ちゃんの着替えやおむつ、ミルク、おもちゃなど(待機時間がある場合もあります)
当日の流れ

予防接種当日は、赤ちゃんの体調がいつも通りか確認しましょう。
体温が37.5℃を超えるような場合は、ワクチンを接種できないことがあります。その場合は、医療機関に相談しましょう。
問題がなければ、予防接種券の問診票を記載し準備しましょう。
接種直前の食事や授乳は、予約時間の30分程前に済ませ、時間に余裕を持って病院に向かいましょう。
特に、ロタウイルスのワクチンは飲むタイプなので、直前に授乳をすると吐いてしまう可能性が高いです。
病院の指示に従い、授乳間隔を空けて受診しましょう。
当日の服装は、腕や足が出しやすいものがおすすめです。
冬の場合は、脱がせやすい洋服だと便利でしょう。
接種後30分以内は、重大な副反応が出やすいため、院内や駐車場で待機するよう指示される場合があります。
赤ちゃんの様子に変化がないか注意深く観察しましょう。
帰宅したあとは、安静に過ごすことがおすすめです。入浴も大丈夫ですが、接種部位を強く擦らないように注意しましょう。

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予防接種がやはり心配なときは?

予防接種の必要性は分かっていても、やはり心配に思う方、小さい子に注射することに抵抗感を抱く方もいるのではないでしょうか。
特に不安に思われるのは副反応についてかと思います。
ワクチンの副反応には、発熱・発疹・局所反応などがあり、重いものとしてはアナフィラキシー(重いアレルギー反応)などがあります。
しかし、医療機関から「重篤である」と届けられた副反応の頻度は、約10万接種に1回程度とされています※9
他にも自然に病気にかかり免疫を獲得する方が良いのではないか?と思う方もいらっしゃるでしょう。
ワクチンに対しての情報はネット上にも多く、心配な気持ちから、どうしてもデメリットに着目してしまうかもしれません。
しかし、病気にかかったときには重篤化することもあり、かかりつけ医など信頼のおける専門家に相談しながら方針を決めていくことをおすすめします。予防接種を受ける事は、自分のお子さんの事だけではなく、社会全体にとっても「感染が拡大しない」というメリットがあります。
不安なことはひとつひとつ相談し、しっかりと情報を得た上でベストな選択をしましょう!

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いかがでしたでしょうか?ワクチンに関しては様々な考えがありますが、情報を集めご自身で選択されている親御さんの意見を、私たちも尊重し、最善のサポートをしていきたいと考えています。

ワクチン以外のことでも、気になることはXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 予防接種ってなに?, 健康・医療よくある質問, 厚生労働省,2022/4/20閲覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kihonteki_keikaku/index_00001.html#Q1

※2 VPDって何?, KNOW・VPD, NPO法人VPDを知って子どもを守ろうの会, 2022/4/20閲覧,
https://www.know-vpd.jp/vpd/index.htm

※3 定期接種と任意接種のワクチン, 日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」, 日本小児科学会, 2022/4/20閲覧,
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_02-2teikisesshu.ninisesshu.pdf

※4 予防接種に対する考え方について, 公的予防接種の在り方について, 厚生労働省, 2022/4/20閲覧,
https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000s2dr-att/2r9852000000s2kz.pdf

※5 ワクチンについて, KNOW・VPD, NPO法人VPDを知って子どもを守ろうの会, 2022/4/20閲覧,
https://www.know-vpd.jp/vc/vc_knd.htm

※6 ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ, 厚生労働省, 2022/4/20閲覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/rota_index_00003.html

※7 生後2か月から接種するワクチン, 日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」, 日本小児科学会, 2022/4/20閲覧,
http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_06-2seigo2kagetu.pdf

※8 同時接種, 日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」, 日本小児科学会, 2022/4/20閲覧,
http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_03doujisesshu.pdf

※9 予防接種の副反応と有害事象, 日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」, 日本小児科学会, 20224/20閲覧,
http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_04hukuhannou.yuugaijisyou.pdf


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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