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【助産師執筆】産後31週(産後7ヵ月)
ほっこりベビーマッサージで、
親子のコミュニケーションを楽しもう

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赤ちゃんと一緒に過ごす時に、ついつい可愛くてほっぺを指で触ったり、抱っこの時に思わずぎゅーっと抱きしめた経験はありませんか?
ママやパパはもちろん、誰しもが赤ちゃんという愛おしい存在に、幸せな気持ちになりますよね。
もちろん、育児が始まるまで赤ちゃんに触れる経験が少なかった方や、可愛すぎてどう接したらいいかわからないという方もいるでしょう。
今日は、親子のコミュニケーションの1つであるベビーマッサージについてお話しします。

  • ベビーマッサージは親子でやりとりしあうコミュニケーション方法の1つ 
  • リラックスできる環境で行うことで、親子で一緒に継続できる
  • 完璧にやることよりも、楽しむことが大切
  • 赤ちゃんとママの体調を最優先にしよう

ベビーマッサージは親子に最適なコミュニケーション

親子で相乗効果があるコミュニケーション方法

ベビーマッサージは、そのまま読めば「赤ちゃんにマッサージをすること」ですが、赤ちゃんだけに効果があるものではありません。
実は、赤ちゃんに優しく触れることはママやパパの精神的な安定にもつながり、お互いに相乗効果があるとされています。
つまり、ママやパパが赤ちゃんの身体をマッサージすることを通して、赤ちゃんもママもパパも、みんなが心理的に安心できたり、感性を育てることに繋がるコミュニケーションの方法なのです。


愛着形成は日常のやりとりが大切な土台

愛着という言葉は、お気に入りの場所や物に対して使うことがありますね。
イギリスの精神科医であるボウルビィによると、乳幼児期に愛着を形成することが、子どもの人格形成に大きな影響を与えるといい、乳児は生まれながらに親の養育行動を誘うような愛着行動をとることを明らかにしています。
これまで沢山の研究がされており、愛着とは、保護者や特定の保育者と乳幼児の間にある相互的な絆のことともいわれています。
子どものこころの発達にとって大切なのは、愛情や信頼で結ばれた信頼関係を持つことですが、このような人間関係の基礎となるのが、乳幼児期に形成される愛着です。※1
これは親子関係になくても、身近にいる特定の保育者が、しっかりと赤ちゃんのメッセージに答えたり、積極的に働きかけたりすることで、 その保育者との間に情緒的な絆が形成され愛着関係へと発展していくとされています。※2
このことからも、普段から愛情のキャッチボールがしあえるママやパパの存在が、赤ちゃんにとって心理的な安全基地になるのですね。


ベビーマッサージで心がけること

リラックスして気軽なスキンシップが継続しやすいですね。ベビーマッサージをより楽しめるポイントをご紹介します。

●テレビやラジオは消して静かな環境をつくろう

マッサージに集中ができるように、できるだけ静かな環境を心がけましょう。
1番のBGMはママやパパの声です。
声が聞こえるくらいであればBGMをかけても良いですが、音量は最小限にしましょう。
また、動画を見ながら行うこともあるでしょう。
その際、つい動画に集中してしまうかもしれませんが、あくまで見てほしいのは目の前の赤ちゃんです。
可能なら「〜しながらベビーマッサージをする」といったことは避けることが望ましいですね。

●室温は約25度前後に設定しよう

裸になっても気持ちよく感じられる室温にしましょう。
冷暖房を使用する場合は、室温設定はもちろんですが、温風や冷風が直接赤ちゃんに当たらないように向きを調節しましょう。
換気、加湿、空気清浄機などの使用は必須ではありません。

●照明を明るすぎないように調整しましょう

蛍光灯の明るすぎる部屋は、仰向けで寝ている赤ちゃんにとっては刺激になって興奮したり、集中できなくなる原因になります。
窓から差し込む自然光は良いですが、日差しが強い場合はカーテンを閉めて調整しましょう。

●防水シートやバスタオル、オムツの準備は必須

裸で行う場合、赤ちゃんがおしっこやうんちをすることがあります。防水シートやバスタオル、交換用のバスタオルやオムツ、おしりふきがあると安心ですね。
また、普段お風呂上がりに使用しているような保湿クリームやオイルなども準備できると良いですね。
気になる場合は、オムツを履かせた状態で行っても構いません。

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赤ちゃんの発達段階ごとのポイントは?

●ねんねの時期

赤ちゃんの手に指で触れた時にぎゅっと握り返してくれたり、赤ちゃんに急に触れようとしたり物音が鳴ったりした時に、ビクッと反応するなどの原始反射がある時期です。
初めてマッサージする時やこの時期は、全身よりも手足など気軽にできる場所から始めても良いでしょう。

●寝返りの時期

仰向けとうつ伏せを交互に、無理のない姿勢で行うと良いでしょう。
赤ちゃんは自分や大人の手足に興味をもつので、声かけしながら一緒に見せてあげると喜びます。また、他に意識が向いてしまうこともありますが、お気に入りのオモチャを持たせるとスムーズにマッサージできることもありますよ。

●ハイハイの時期

動けるようになると、集中できないこともあるでしょう。
そんな時は、お座りさせたり、立っちの姿勢で短時間で行っても良いです。
完璧にやろうと思わずに、顔を見合わせてできる部位を丁寧にマッサージするだけでも喜んでくれます。

●あんよの時期

少しずつ言葉が出てきますので、身体の場所を繰り返しお話しながら遊び感覚でマッサージするのも良いでしょう。
また、歩き始めの時期は、足の裏や指先の神経が急速に発達します。優しく丁寧にマッサージしてあげると気持ち良いと感じるでしょう。


注意点も確認しておこう

ママやパパや赤ちゃんが心地よくできることが大切なので、無理にする必要はありません。
そのためにも、気をつけるべき注意点を確認して知っておきましょう。

行わない方が良いサイン

  • おなかが空いている授乳前・おなかがいっぱいの授乳直後 
  • 湿疹など皮膚トラブルがあるとき(赤ちゃんだけでなくママやパパも)
  • 赤ちゃんが発熱している・予防接種から翌日まで・風邪等体調が優れないとき
  • ママやパパが体調不良や疲れているとき

タイミングは声かけから、肯定的に促そう

マッサージをする前は赤ちゃんに肯定的な声かけが必要です。
もし赤ちゃんが他の遊びに夢中になっている場合は、1度抱っこしてスキンシップを取りながら意識を自分たちに向けるようにしましょう。
そして、「これからマッサージしても良い?」など、赤ちゃんの目を見て確認をとりましょう。
赤ちゃんからのアイコンタクトや表情など反応を観察することで、ベビーマッサージをしている時の赤ちゃんの機嫌もよくわかることでしょう。


終わった後も赤ちゃんに合図をしよう

マッサージの後は血行が良くなっている状態ですし、短時間でも赤ちゃんにとっては全身を使った運動です。母乳やミルクなどで水分補給をしながら、「気持ちよかったね」など赤ちゃんを褒めてあげましょう。
また、途中で赤ちゃんが嫌がることがあれば、マッサージを中断しても構いません。
寝てしまうこともあるかもしれませんが、その場合は赤ちゃんのペースに合わせて終了としてあげましょう。

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いかがでしたか?ベビーマッサージで赤ちゃんとのコミュニケーションを通して、お子さまのちょっとしたサインに気づけるようになったら素敵ですね。

他にも気になることがあれば、いつでもXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 エコチル調査,大阪ユニットセンター,親子の絆はいつからはじまる?ー愛着の発達ー,大阪ユニットセンター,2022/06/27閲覧,
https://www.ecochil-osaka.jp/growth/page-1418/

※2 保育所保育指針解説書,厚生労働省,2022/06/27閲覧,
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0001.pdf


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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