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【助産師執筆】産後33週(産後8ヵ月)
ママとパパで改めて復職について
考えてみませんか?

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突然ですが、皆様の育休期間は残りどのくらいですか?
もしかすると、すでに復職されている方もいるかもしれませんし、バトンタッチして今はパートナーが育児休業中かもしれませんね。
また、復職してからの生活はどうなるのだろうかと、今現在不安に思っている方もいるでしょう。
実際、復職後のイメージはなかなか想像しにくいかと思います。
慌ただしい日々の中で、自分たちの現状について考えたり、話し合うきっかけを作るということは本当に難しいですね。
今回は、こちらのコラムで改めて復職について考えることをきっかけに、ご夫婦で自分たちの現状から将来について話してみましょう。

  • 復職後のスケジュール管理やシミュレーションが大切 
  • 子どもの体調不良時に使用する、子の看護休暇制度を知っておこう
  • 子どもが3歳未満の時期に使用できる制度を知っておこう
  • 何気ない日常から、家族で一緒に話し合うことがカギ!

復職する際の心構えや準備について

赤ちゃんとの生活が始まってから、何が1番変化したでしょうか。
生活リズムや1日の過ごし方だけではなく、外出時の持ち物や服装、中には住んでいる環境が変わった方もいるかもしれません。
復職にあたって課題を見つけるためにこうした産休前後における変化の確認や、育休中である現在と以前のようにお仕事をしている生活との比較をすることから始めると、これまで通りにはいかない点が見つかりやすいです。


スケジュールを管理・共有し合おう

共働きになった際に、多くのご家庭が保育園の送り迎えや家事を分担して行うことになります。
その上で、お互いの予定はもちろん、お子さまの行事や定期受診などのスケジュールを把握しておくことはとても大切です。
カレンダーアプリや、目に見えるような形で管理・共有することがおすすめですよ。
はじめのうちは慣れるまで大変かもしれませんが、履歴から振り返ることもできます。
ホワイトボードに手書きでそれぞれメモするといったやり方も良いですし、最近ではタスク管理用のチャットアプリなどもあります。
自分たちが使い慣れているものがおすすめです。

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シミュレーションしてみることも大切

ところで、実際に復職となったら、一体何時に起きてどんな通勤方法で自宅を出れば、お子さまの送迎をした後に余裕を持って職場に間に合うでしょうか?
復職後の生活を具体的にイメージしておくことはとても大切です。
朝ごはんの準備や着替え、洗面のお世話などをしながら、自分も身支度を済ませておく。
また、送迎から帰宅後、夕食やお風呂入れ、歯磨きから絵本タイム。
いざ寝かしつけが終われば、翌日の保育園の準備をしたり、お家の片付けや洗濯、そして自分たちの仕事の整理などもあるかもしれません。
こうした1日のタスクや流れを暗黙の了解でこなしていくことはとても難しいです。
ふたりで1日の流れをシミュレーションし、たくさんあるタスクに対する優先順位を考えたり、タイムマネジメントを考えたりすることで、たくさんの収穫が得られるはずです。
また、完璧を目指さないといったスタンスも大切ですね。
何を優先し、何を諦めるか、人の手をどこで借りるか、どこで手を抜くかも相談しあってみましょう。


看護休暇も上手に利用しよう

復職したとはいえ、お子さまが発熱や病気、怪我をしてしまった場合には、お仕事に行くことが難しいことがありますよね。
どうしよう、と不安になる前に知っておいてほしいことが、「子の看護休暇」です。
小学校就学前のお子さまを育てている労働者は、事業主に申し出ることによって看護休暇を取得することができます。※1

看護休暇とは

  • 小学校就学前の子どもが1人の場合は1年度に5日まで
  • 小学校就学前の子どもが2人以上の場合には1年度に10日まで
  • 1日または時間単位で取得可能
  • 有給か無給かは会社の就業規則で異なる

この1年度というのは、毎年4月1日から翌年3月31日となります。
そして残念ながら、日雇いの方には該当しないこともありますので、職場に看護休暇の実績なども確認できると良いですね。
「子の看護休暇」は、お子さまの予防接種での受診や健康診断を受ける必要がある場合にも適用されます。
年次有給休暇とは別に休暇がもらえる制度ですので、安心して子育てしながら働くことができますね。


子どもが3歳未満の時期に使用できる制度を知っておこう

短時間勤務制度と所定外労働の制限

ご自身のお仕事にやりがいを感じている一方で、果たして子育てしながら以前のように働くことができるのか不安になりますよね。
そんな場合も、仕事と子育てを両立しやすくするために、育児・介護休業法によって、3歳に満たないお子さまを育児中の労働者には、1日の勤務時間を短縮できる制度(原則として1日6時間)である短時間勤務制度や、残業を免除する制度である所定外労働の制限が設けられています。※2
さらに、会社によってはフレックスタイム制度がある場合もあるでしょう。※3
これは、1日の労働時間帯を必ず勤務すべき時間帯(コアタイム)と、その時間帯の中であればいつ出社または退社しても良い時間帯(フレキシブルタイム)とに分けて、それぞれの時刻を労働者の決定に委ねるものです。
実際に、皆さんの勤め先によっても様々な制度があると思います。ぜひ、復職前に確認しておきましょう。


家族会議が復職にあたってのキーポイント!

何気ない日常会話をきっかけに、一緒に話し合うことがカギになる

このコラムを読んでくださっている方の中には、パートナーが育児休業を取得された方もいればそうでない方もいると思います。
厚生労働省の調査によると、2020年度の育児休業取得率は男性で増加が認められましたが、女性81.6%に対して男性は未だに12.7%であることはご存知でしょうか。※4
今後男性がどのくらい育児できるかが、女性が復職しやすい立場や環境整備に繋がるので、自分ごととして気になりますよね。
育児・介護休業法については、段階的に施行されたり改正のポイントもその時によって変化しています。
また、こうした現状を踏まえた上で、育児休業を取得できる・できない、またその期間が長期・短期であるに関わらず、それぞれパートナーとお互いに支えあいながら協力体制をつくっていくことが求められます。
誰でも、自分の気持ちをなかなか言えなかったり、パートナーの気持ちがよくわからずにモヤモヤすることもありますよね。
そうした際に活用できる、内閣府などが出しているミーティングシートがあります。※5
日々の家事や育児の項目を見直したり、どうやってシェアするか、お互いに現状を把握することも大切です。
そして、今後どんな未来を想像するのか、自分たち家族の幸せのあり方や将来の自分たちの姿を確認しあうためにも、こうした家族会議が復職にあたってのキーポイントになるでしょう。

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いかがでしたか?改めて復職前の残りの時間をどう過ごし、何を優先すべきだと思いましたか?
仕事と子育ての両立は大変ですが、利用できる制度や頼れる窓口を探しておくと安心ですね。
復職前に、お互いに本音で話し合う時間をつくれますように。

他にも気になることがあれば、いつでもXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 子の看護休暇制度,厚生労働省,2022/07/08閲覧,
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355367.pdf

※2 育児のため、所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)を利用したい場合,仕事と家庭の両立の取組を支援する情報サイト,厚生労働省,2022/07/11閲覧,
https://ryouritsu.mhlw.go.jp/qa01_04.html

※3 変形労働時間制の概要,フレックスタイム制度,厚生労働省,2022/07/11閲覧,
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/henkei.html

※4 「令和2年度雇用均等基本調査」結果を公表します〜女性の管理職割合や育児休業取得率などに関する状況の公表〜,厚生労働省,2022/07/11閲覧,
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r02/07.pdf

※5 夫婦が本音で話せる魔法のシート「○○家作戦会議」,男女共同参画局,2022/07/12閲覧,
https://www.gender.go.jp/public/sakusenkaigi/index.html


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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