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【助産師執筆】産後37週(産後9ヵ月)
ハイハイにつかまり立ち!
動き回る赤ちゃんと過ごすおうちの工夫とは!?

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赤ちゃんは生後半年頃から活発に動き回るようになります。
寝返りやお座りをしていた赤ちゃんも生後6ヵ月〜8ヵ月ごろにはハイハイができるまでに成長します。
9ヵ月にもなると部屋中をハイハイで動き回るようになり目が離せなくなる時期です。
赤ちゃんにとっておうちの中は興味のあるもので溢れている反面、危険も隣り合わせ。
今回はハイハイにつかまり立ちにと、活発な赤ちゃんと過ごすための安全対策、事故を防ぐポイントをお伝えしていきます。

  • 9ヵ月ごろの赤ちゃんは探究心と好奇心が旺盛な時期 
  • 赤ちゃんにとっておうちの中は危険がいっぱい!
  • ママ達が工夫しているおうちの対策が分かる!

ハイハイ・つかまり立ちはいつから始まるの?

赤ちゃんがハイハイ・つかまり立ちを始める時期には個人差があります。
大体生後7ヵ月から11ヵ月ごろが目安ですが、早い子は生後5ヵ月くらいから、遅い子では1歳ごろから始まる子もいます。
個人差はあるものの、10ヵ月までに約9割の赤ちゃんがハイハイ・つかまり立ちができるようになると言われています。※1
生後5・6ヵ月ごろには寝返りで移動する赤ちゃんもいます。
赤ちゃんは、あっという間に成長・発達します。
うちの子はまだ対策をしなくて大丈夫だろうと思わず、早い時期からおうちで過ごす環境を整えていきましょう。

他には、体が倒れそうになった時に手を伸ばして体を支えようとする「パラシュート反射」が出てきます。
からだの発達の変化としてはハイハイをよくするようになりますが、「よつんばい」のハイハイだけでなく、ひじで前に進む「ひじばい」、おしりを高く持ち上げて進む「高ばい」、片足だけ曲げて進む「変わりばい」など、短い期間での体勢の変化が多い時期となります。
そのため、個人差も出やすくなるんですね。

生後9ヵ月からの探索行動の発達

9ヵ月ごろになると、赤ちゃんは体と心の成長が著しくなります。
自分で移動ができるようになると探究心と好奇心がさらに旺盛になり、何にでも手を伸ばし、いじり、口に入れたり、ひっくり返したりするようになります。
探索行動は発達には欠かせないものですが、危険なものが多い場合は対策が必要となります。

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家庭で起こりやすい事故と具体的な対策

0歳から1歳ごろによく起こる事故をまとめました。
ご自身の家庭環境はどうなのか、イメージしながら確認してみましょう。

●窒息・誤飲事故

窒息や誤飲に関連する事故に関しては、以下のような事例があげられます。

窒息・誤飲事故の事例

  • 食事中の離乳食での窒息
  • 小さなおもちゃでの誤飲
  • ボタン電池・吸水ボール・電池などの誤飲
  • 医薬品・化粧品・洗剤などの誤飲
  • タバコ・シールやフィルムの誤飲
  • ブラインドやカーテンの紐などによる窒息
  • ベットと壁の隙間に挟まることでの窒息
具体的な内容と対策としては、うつ伏せ寝は寝具に顔が埋もれて窒息を起こすリスクを招きます。
1歳までは仰向けで寝かせるようにしましょう。
可能であればベビーベッドで寝かせ、敷布団やマットレスは硬めのものを選びます。
赤ちゃんが寝るベットの周囲にはぬいぐるみやクッションは置かないようにしましょう。
誤飲対策としては赤ちゃんの口に入るサイズのもの(トイレットペーパーの芯を通るもの)、口に入れたら危険なものは届かないところに置く習慣をつけましょう。
また、たばこ、医薬品、お金、洗剤、化粧品、電池などを収納する際は鍵をつけたり、扉にロックガードをつけるようにしましょう。
赤ちゃんの窒息の原因としては離乳食が原因となることも多いです。
球形の食品(プチトマト、ブドウなどの果物、飴、チーズ、うずらの卵など)は、吸い込みにより気管に入り窒息の原因となります。
4等分にして、ブドウなどの皮は取り除いてから与えましょう。

●転倒・転落

転倒や転落に関連する事故に関しては、以下のような事例があげられます。

転倒・転落事故の事例

  • ベッドやソファからの転落 
  • つかまり立ちの際にバランスを崩し転倒 
  • 椅子やテーブルからの転落 
  • 階段からの転落 
  • 段差につまずき転倒

動き回るようになった赤ちゃんは、寝返りでも活動的に動き回ります。
ベビーベッドの柵は必ず一番上まで上げ、ロックする習慣をつけましょう。
また、赤ちゃんひとりだけで大人用のベッドに寝かせることや、ソファに寝かせることも避けましょう。
また、ハイハイでも段差を登ったり降りたりします。
1人で段差のあるところへ行かないよう気をつけたり、階段や玄関に赤ちゃんが入れないように柵を取りつけることもおすすめです。

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●水回りの事故

水回りに関連する事故に関しては、以下のような事例があげられます。

水回りの事故の事例

  • 水を張った浴槽への転落 
  • 入浴時に溺れる 
  • 洗濯機・バケツに転落し、溺れる

赤ちゃんの体型は頭が体に比べて重たいです。
そのためバランスが悪く好奇心旺盛な赤ちゃんは浴槽の中を覗き込み、そのまま転落してしまうケースもあります。
浴槽の水は入浴時以外は抜いておくなど事故防止に努めましょう。
お風呂に鍵をかけることも対策の一つです。
また赤ちゃんが溺れるケースとして、一緒にお風呂に入って大人が洗髪している間に溺れることもあります。
赤ちゃんの首につけるタイプの浮き輪でも事故は起きています。
溺れたらバシャバシャと音を立てるイメージがありますが、赤ちゃんは静かに溺れます。
水深が浅くても危険と隣り合わせなので目を離さないようにしましょう。
その他、最近ではドラム式の洗濯機に入ってしまう事故もあります。
洗濯機付近に近づけないようにしたり、洗濯機のふたを開けたままにしたりしないようにしましょう。

●火傷の事故

火傷に関連する事故は、以下のような事例があげられます。

火傷の事故の事例

  • 炊飯器やポット、電気ケトルなど調理器具での湯気による火傷
  • お茶・味噌汁・カップ麺など汁物での火傷
  • 暖房器具や加湿器での火傷
  • アイロンやヘアアイロンでの火傷
  • ホットカーペット・湯たんぽなどによる低温やけど

まずは、熱いものに赤ちゃんの手が届かないように気をつけましょう。
熱い飲み物や汁物をテーブルに置くときは中央に置き、また赤ちゃんを抱っこしたまま扱わないようにします。
抱っこをしていると、赤ちゃんの足がテーブルに乗り熱いものが倒れて火傷に繋がることもあります。
赤ちゃんの手だけに注意するのではなく、体全体を見るようにしましょう。
炊飯器などから蒸気が出ていれば「何だろう?」と興味を持つのが赤ちゃんです。蒸気や本体に触れさせないように手の届かない場所に置いたり、収納棚にしまうようにしましょう。またコードを隠すことも重要です。
垂れ下がったコードを引っ張り、それが落ちて火傷に繋がる場合があります。
テーブルクロスやランチョンマットは、赤ちゃんが引っ張って食器などを倒す原因になりやすいです。
ハイハイやつかまり立ちをする時期は危ないので、使用しない方が良いでしょう。
他によく起こる火傷事故として、低温火傷があります。
温かくて心地よいと感じる40度前後でも低温火傷はおこります。電気毛布、カイロ、ホットカーペット、湯たんぽなどを長時間使用しないようにしましょう。寝る時などは、つけたままにしない様にしましょう。

●挟む・切る・そのほかの怪我

その他、以下のような事故も家庭の中に溢れています。

挟む・切るなどの事故の事例

  • 手や足をドアや窓に挟む
  • 手や足を引き出しに挟む
  • ハサミ・カッターなどでの怪我
  • おもちゃで指などを切る
  • 小さなものを鼻の中に入れる
  • キッチンアイテムで指などを切る

家庭ではドアや窓に指を挟んでしまう事故も多いです。
開き戸を勢いよく開けたら反対側にいた赤ちゃんの指を挟んでしまったりすることもあります。
赤ちゃんの位置を確認してから、開け閉めするくせをつけましょう。
また、スライドするドアは開け閉めをするのが面白くて遊んでしまう子もいます。
ドアストッパーやロックガードを活用するようにしましょう。
キッチン周辺は危険なものが多くあるので、キッチンの入口に柵を設置したりキッチン用品は赤ちゃんの手が届かない場所に収納したりしましょう。※2


実際に家庭でできる対策

消費者庁の調査で、台所や階段などから【落ちる】事故が一番多いとの報告があります。
具体的にみなさんが行っている対策をまとめたので参考にしてみてください。※3

家庭でできる対策

  • フローリングに転倒しても良いようにジョイントマットを敷く
  • テーブルの角にコーナークッションを付ける
  • 台所や階段にベビーゲートを設置する
  • 扉や引き出しにストッパーを設置する
  • コンセントキャップの使用
  • コード類は子どもが引っ張らないように隠す
  • ベランダやベッドの周辺にステップになるようなものを置かない

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つかまり立ちにハイハイにと、赤ちゃんはどんどん活動的になります。
赤ちゃんはたくさんのものを触ったり、舐めたり感じたりして発達・成長していきます。
好奇心があることはとても良いことです。
赤ちゃんの好奇心が育つような環境を作りつつ、怪我や事故に繋がらないような安全対策を考えていきましょう。
ただ、これらの対策を誰か一人だけが気を付けていても事故は防げません。
家族みんなで周知、協力していけると良いですね。

気になることはXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要), 厚生労働省,2010,p9,
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tmct-att/2r9852000001tmea.pdf

※2 子どもの事故防止ハンドブックについて,消費者庁,2022/8/10閲覧,
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/

※3 家の中の事故に気を付けましょう!-令和2年度「子どもの事故防止週間」を7月 20 日から実施します-,消費者庁,2020,
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/weekly_2020/assets/consumer_safety_cms205_200708_02.pdf


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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