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【助産師執筆】産後44週(産後11ヵ月)
いざという時のために!赤ちゃんにも使える
子ども用救急箱を準備しておこう

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こんにちは。皆さんのご家庭には救急箱や救急セットの準備はありますか?
その中にはどのようなものが入っているでしょうか。湿布、絆創膏、風邪薬、痛み止め、胃腸薬……などなど。そして、その中にあるお薬に、子どもにも使える用法容量のものは含まれていますか?
動きが活発になりお外遊びが増えてくると、転んで手足を擦りむいたり、どこかでひっかき傷をつくってきたりすることも多くなってくるでしょう。
いざ使いたい時に揃っていない!と焦ってしまうことがないように、今回はご家庭の救急箱の中身や持ち歩くときに便利な最小限の救急セットについてお伝えしておきたいと思います。
また、救急箱は災害時の持出物品に役立つこともありますので、ぜひこの機会に見直してみてくださいね。

  • 子どもは大人よりもけがをしやすい
  • 外用薬を充実させることがおすすめ!
  • 傷口はきれいな水で洗い流すことが大切!
  • お薬の定期チェックは忘れずに

まずは、どんなけがが多いのかイメージしてみよう※1, 2

子どもは、体の中でも頭の比重が大きく、歩行のバランスの取り方も発達過程であるため、転倒・転落が起こりやすいといわれています。また、周りの物への興味関心が高まり、何にでも触れたくなったり、一点に夢中になっているうちにどこかに体をぶつけたりもしやすい時期です。
したがって、遊びの中で、自然と擦り傷や切り傷、打ち身などのけがが増えてくるでしょう。産後40週にお伝えした『赤ちゃんに起こりやすい事故や怪我を知っておこう』のコラムも併せて参考にしてみてください。

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揃えておきたい救急セットの中身

家庭内での軽いけがや体調不良のために、最低限備えておきたい救急セットの基本の中身を見てみましょう。
内服薬は病院を受診して処方を受けることが多くなりますが、子どもは日常的にけがの機会が多くなるので、外用薬を充実させておくことがおすすめです。
その他持病があるお子さまがいる場合には、その薬は欠かさないように確認しておきましょう。

●内服薬
・解熱鎮痛剤、風邪薬
大人とは使用できる成分や容量が異なるので小児用の準備が必要です。
・胃腸薬・整腸剤
お腹が弱いお子さまがいる場合に用意があると安心です。
・各自の処方薬
●外用薬
外用薬を使用する際には、誤飲や窒息、肌荒れなどに注意が必要です。
・虫刺され用軟膏
抗ヒスタミン剤が含まれたものは痒みの炎症反応を抑えます。
・ワセリン
保湿保護の役割を果たします。おむつかぶれなどの保護にも利用できます。
・温冷湿布薬
捻挫や打撲の時に貼付します。子どもにも使用できるものか、事前に確認が必要です。
●補助用品
・絆創膏(2〜3サイズ)
傷口の大きさで使い分けられるよう複数のサイズの準備 があると便利です。子どもの好きなキャラクターデザインのものなどもありますが、貼る前に油性ペンでイラストを描くと喜ばれることもあります。
・滅菌ガーゼ
止血や汚れを取り除く時に使います。
・伸縮包帯
ガーゼや湿布などを固定するときに使用します。包帯同士がくっつくタイプのものが便利です。
・サージカルテープ
皮膚に優しい、ガーゼなどの固定用のテープです。手で切れるタイプが便利です。
・綿棒
傷口の細かな汚れを取り除く時に便利です。
●その他
体温計、ハサミ、ピンセット、氷枕、かかりつけ医などの救急連絡先
※スマートフォンに登録しておいたり、メモを用意しておくとそばにいる人に連絡を依頼する際に便利です。
処方薬の管理

処方薬は必ず薬剤名・用法・容量がわかるメモを残しておきましょう。お薬手帳を活用するのも良いでしょう。病院や薬局の薬袋でそのまま管理しておくと処方された日付も把握しやすいです。

けがに消毒薬は必要?※3,4

傷口を治すためには、体の中に含まれる細胞増殖因子が必要なのですが、消毒液を使うとこの因子も壊してしまいます。なので、まずは傷口をしっかりと流水で洗い流すことが最も大切です。
また、乾燥させない湿潤療法の方が傷口の治りは良いことがわかっています。ガーゼを使用すると、傷を治すために出てきている体液がガーゼに吸い取られてしまいます。血が止まった後は、傷口が乾かない絆創膏などで保護すると良いでしょう。
ただし、傷口が膿んできたり、動物に噛まれた時には、消毒が必要になるので病院を受診してくださいね。

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お薬の保管で気をつけることは?

1.置き場所

薬の管理にはくれぐれも注意し、お子さまが小さい頃は、誤って薬を口に入れてしまわないように手の届かないところに保管しましょう。
また、お薬の成分に影響してしまう場合もあるので、各薬剤の保存方法を確認した上で、高温多湿の場所は避けて保管するようにしてください。

2.大人用と分ける

子ども用と大人用では体重の違いにより薬剤量が異なります。慌てている時や夜間などに大人用を誤って子どもに使用しないよう、入れ物を分けておくことがおすすめです。

3.定期的な使用期限チェック

内服薬だけでなく、外用薬にも使用期限があります。開封時は外部包装を捨てる前に期限がわかるようにしておきましょう。開封日を直接容器に記載して管理するのもおすすめです。使用した後に残りの数を確認する習慣をつけたり、半年に1回は家族で定期チェックしたりする日を決めておいても良いですね。

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4.持ち運び用セット

外での怪我に備えて、外出時は最小限に必要なものだけを持ち歩きたいですよね。おすすめの3点セットは「ウェットシート・滅菌ガーゼ・絆創膏」です。また、夏場など熱中症が心配な時期には、水分と一緒に塩分補給タブレットや瞬間冷却材もあると便利です。


最後に

家庭の救急セットの中身は、家族みんなの年代、体質、生活習慣などでも変わってきます。
今回ご紹介したのは最低限で揃えておきたい基本のセットでしたが、各家庭のニーズに合わせて使用頻度の多いものは補充しておけると良いですね。突然のけがや体調不良の時にでもすぐ使用できるように、家族みんなに合わせて準備をしておきましょう。

また、お薬の取り扱いに悩んだら、いつでもXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。


参考文献

※1 子どもの事故の現状について,消費者庁,2022/05/12閲覧,
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/children_accident_prevention/pdf/children_accident_prevention_171031_0002.pdf

※2 こどもの救急,公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY,2022/05/12閲覧,
http://kodomo-qq.jp/

※3 創傷治癒,一般社団法人日本血栓止血学会,2022/05/12閲覧,
https://jsth.medical-words.jp/words/word-574/

※4 キズ・キズあとガイドブック,一般社団法人日本創傷外科学会,2022/05/12閲覧,
https://www.jsswc.or.jp/general/index.html


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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