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【助産師執筆】妊娠23週
出産準備クラスで何が学べるの?
妊娠〜産後のイメージをつけよう

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妊娠23週に入りましたね。この時期の赤ちゃんの大きさは野菜のナス程度にまで成長します。個人差もありますがママの体重は妊娠前より5キロ前後増え、おなか自体も前にせり出してくるので重心が変わってきます。そのため腰痛を感じたり、ベッドからの起き上がりが以前より辛くなる方も増えてきます。マタニティビクスやヨガなど体を動かしてリフレッシュできるといい時期ですね。
妊娠の自覚もより一層強くなってくるこの時期に確認したいのが、出産準備クラス(両親学級)についてです。パートナーのおなかが大きくなる姿を見て、どうサポートしたら良いのだろう。と疑問に思う方もいます。実際ママからも、「パートナーに自覚を持って欲しい」「夫婦で共通認識を持ちたい」などといった声も聞きます。今日はママとパパ2人で受けられる両親学級について説明をしてきます。

  • 両親学級では、出産や子育ての準備や心構えを学ぶことができる
  • 自治体、産院、民間企業などによってテーマや場所はさまざま
  • 最近はオンラインも普及。自分の時期や体調に合わせて選びましょう!

出産準備クラスってなに?

まず、出産準備クラスは、その対象や目的により母親学級(マタニティクラス)、父親学級、両親学級、祖父母教室、多胎妊婦クラスなどに分けられます。
昔は「母親学級」が大半を占め、妊婦さんを対象に出産準備や産後のことについて伝えることがメインでした。しかし、ここ最近は男性の育児参加も当たり前となってきており、2人で参加する「両親学級」が増えています。今回はそんな両親学級に焦点を当ててお話しします。

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出産や育児について学べる!

両親学級では、妊娠中の体の変化や出産までに気を付けることなどを学ぶことができます。他にも、お産の様子や立ち会いの仕方、おむつ替えや沐浴の手順なども内容に含まれている場合もあります。開催場所によって扱うテーマや内容も異なるので、自分が行ってみたい施設に確認してみると良いでしょう。
また、パートナーは自分のおなかに赤ちゃんがいないので、妊娠についてイメージすることが難しいです。このようなクラスに参加することで、より身近に赤ちゃんを感じることができ、ママをサポートする気持ちが強くなることでしょう。日本では少子化や核家族化の影響により、子育てをする親の姿を見たり、手伝いをする経験がないまま大人になったり、両親と同居していない夫婦も多いです。だからこそ、育児の仕方や妊娠・出産・産後のママの変化などを教えてくれる、両親学級の需要は高まっています。※1
また、病院によっては両親学級への参加が、立ち会い出産の条件になることもありますので出産施設の情報をチェックしましょう。

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参加のメリット

では、出産や育児について妊娠中に学ぶことで、どんなメリットがあるのでしょうか?

1.妊娠や出産、育児に関する正しい知識が得られる

情報社会の現代では、検索したらすぐ、色々な情報が出てきます。しかし根拠に乏しいものや間違った情報もあるので、余計に不安を感じてしまう方も少なくありません。
両親学級は専門家から直接話を聞くことができます。またその地域のサポート内容を聞けたり、病院の出産の様子がイメージできたりと、自分にあった正しい情報を聞くことができます。

2.親になる心の準備ができる

両親学級に参加することで、赤ちゃんをより近くに感じることができ、母親・父親としての気持ちが芽生えてきます。特に、パートナーの場合、自身が妊娠するわけではないので親になる実感が湧きづらいという方もいらっしゃるでしょう。
両親学級にて、ママと一緒に学ぶことで、親になる心の準備をすることができるでしょう。

3.赤ちゃんがいる生活の準備ができる

出産後のイメージもクラスに参加すると湧きやすくなります。赤ちゃんが生まれた後のために、部屋のレイアウトをどうしていくか。必要な物は?産後のサポートはどうするのか。といったように赤ちゃんを迎える準備を家族と話し合うきっかけ作りになるでしょう。

4.仲間作りの場

開催施設によっては、お住まいのエリアごとにグループに分けることもあります。両親学級に参加することで同じ時期に生まれる家族同士の交流がしやすくなります。
「出産後に病室でばったり再会した」「出産後も定期的に遊ぶようになった」などのエピソードもよく聞きます。※2
  また、パパ同士が交流できる場を持つことは、パパの育児参加を促す要因になると言われています。共に育児を頑張る仲間づくりができたらよいですね。


どこで受講できるの?

両親学級は、自治体・産院・民間企業が行うものがあり、主催者によって開催場所も異なります。

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●自治体

自治体では主に、保健センター(保健所)、公民館、自治体が持つ施設などで開催されることが多いです。無料で参加できるものが多く、平日と休日に分かれていたり、出産予定日によっても区別されていることが多いです。
産後に訪問する保健師・助産師とお話ができたり、同じ地域の妊婦さんたちと交流ができるのもメリットと言えます。予約方法は自治体のホームページや母子健康手帳交付時に説明があることが多いです。住んでいる自治体の情報を調べてみましょう。

●出産施設

出産施設が主催している両親学級では、出産をする病院や助産院が会場となることが多いです。病室や分娩室の見学ができることも多く、出産に向けての具体的なイメージ作りができます。
施設によっては立ち会い分娩の条件としてクラスの参加が必須となる場合もありますので、確認しておきましょう。クラスの詳細や申し込みについては、妊婦健診の時に説明されることが多いです。

●民間企業

一般企業や協会が主催している両親学級もあります。赤ちゃん用品やマタニティケア用品を取り扱っている店舗や商業施設で開催され、企業が用意したお土産が充実していることもあります。どの週数でも枠が空いていれば参加できることが多いです。場所によっては初産婦のみを対象としているクラスもあるので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。※3
また、昨今ではオンラインでの講習も充実しています。自宅にいながら参加できるものもありますので、ご自身の体調や予定に合わせて選択しましょう。


自分の時期、体調にあったクラスを選ぼう!

両親教室には、つわりがおさまり、体調が安定し動きやすくなる妊娠中期から参加される方が多いです。ですが、開催クラスによっては妊娠初期の妊婦さん向け、中期の妊婦さん向けなどに分かれている場合や、参加枠が決まっている事前予約制のものもあります。
妊娠中は体調が優れない時もあり、クラスによっては半日近くかかるものもありますので、無理をしないようにしましょう。クラスの多くは同じプログラムを一定のサイクルで開催しているものがほとんどです。参加できなかったプログラムだけ後日に参加できる場合も多いので、諦めずに問い合わせて確認しましょう。


【コラム】2024年6月に販売開始される「妊婦用の組み換えRSウイルスワクチン」とは?

妊婦用の組み換えRSウイルスワクチンは、妊婦さんがワクチンを接種することで、お腹の赤ちゃんに抗体を届け、出生時からRSウイルス感染の予防や重症化から守ることが期待できます。
厚生労働省専門家部会で製造販売承認を取得し、現在、販売に向けた準備が行われています。

RSウイルス感染症とは、RSウイルスに感染することで起こる呼吸器の病気です。1歳までに50%、2歳までに100%の子どもがかかると言われています。一方で、生後6ヵ月未満でかかると、重症化しやすく、気管支炎や肺炎、呼吸困難を起こして、入院が必要になる場合もあります。残念ながら、特効薬がないため、症状を和らげる対症療法を行うしかありません。
任意接種なので有料ではありますが、妊娠24週から36週までの妊婦さんが対象となります。接種方法は筋肉注射です。
RSウイルス感染を予防できる唯一のワクチンですので、ぜひ接種を検討してみてはいかがでしょうか?

〈参考文献〉
RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方,日本小児科学会,2024/2/17閲覧,
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=559


まとめ

両親学級に夫婦で参加することで、より赤ちゃんが愛おしく思えたり、妊娠・出産・産後のイメージを2人で抱くことができます。ママになる自覚、パパになる自覚も芽生えてきますね。

気になることはXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 足立安正,市区町村における出産前教育の実態~父親の育児参加を促す取り組み~, 摂南大学看護学研究 Vol.8 No.1, 2020

※2 出産準備教室のプログラミング,看護roo!,2022/9/10閲覧,
https://www.kango-roo.com/learning/8520/

※3 プレファミリー講座(旧両親学級)について,公益社団法人東京都看護協会,2022/9/10閲覧,
https://www.tna.or.jp/tomin/jisedai/parentsclass/about/


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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