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【助産師執筆】妊娠31週
そろそろ出産準備!助産師のこだわり教えます

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妊娠31週になりました。この時期の赤ちゃんは体重が約1200〜2000gとなり※1、ほぼすべての臓器が完成します。ママは更におなかが大きくなり、おへそとみぞおちの辺りまで子宮が大きくなってきています。体の血液量も増加し、子宮によって膀胱が圧迫されるため、頻尿に悩み始める時期かもしれません。
しかし、トイレに行くのを我慢すると膀胱炎になりやすくなるため要注意です。また、ママの脱水にも注意が必要です。寝る前の水分は控える代わりに、日中はこまめに水分摂取するなどして補っていきましょう。

さて、9か月に入るともっとお腹も大きくなり、動くのが大変になってきます。そろそろ出産準備をしておきましょう。今回は出産準備のポイントをお伝えします!

  • お洋服は赤ちゃんの様子を見て調整する
  • すぐにサイズアウトするので買いすぎない
  • 沐浴の場所をイメージしてお風呂グッズの準備
  • 授乳グッズの購入は退院時でも遅くない
  • 寝具は安全な環境作りを心掛ける
  • お出かけグッズはライフスタイルに合わせて
  • 困ったときにはアカチャンホンポのマタニティアドバイザーに相談!

まずは衣類について

●肌着

肌着は代謝の良い赤ちゃんの汗を吸収してくれるのに必要なものです。汚れることが多いので、短肌着を5~6枚、長下着もしくはコンビ肌着を5~6枚、用意しておくと良いでしょう。短肌着や長下着は裾がまっすぐで、頻繁におむつ替えをする時期に便利です。裾がめくれて赤ちゃんのおなかが見えることが気になる方には、股下にスナップがついているコンビ肌着がおすすめです。
また、赤ちゃんの肌に直接触れるものは「水通し」をしておきましょう。出来れば洗濯槽クリーナーなどで洗濯機を掃除してから、水か赤ちゃん用の洗剤で一回洗濯をして、新品の衣服の糊を落とします。赤ちゃんの肌荒れを防ぎ、汗の吸収率をアップすることができます。

●お洋服

ドレスオールを5~6枚準備しましょう。基本的に「肌着+お洋服」というスタイルで、季節やお部屋の環境に合わせて、肌着を短肌着に長下着の2枚にするなどしてお洋服の枚数を調整しましょう。赤ちゃんが汗ばんでいたら着ているものを減らし、手や足が冷たい場合は着ているものを増やしてあげましょう。
赤ちゃんの体重は3か月で約2倍まで成長しますので、新生児サイズはすぐにサイズオーバーします。季節によって使い分け、必要に応じて買い足していきましょう。


おむつ交換に関するもの

●紙おむつ

新生児用の紙おむつをまずは1〜2パック程度準備しておきましょう。Mサイズまでは使用期間が短く、あっという間にサイズアウトしてしまうので、買いすぎには注意しましょう。

●おむつバケツや処理機

紙おむつはそのまま捨てるので、臭いが気にならないような工夫が必要です。一つずつ密閉して捨てられるゴミ箱もありますし、蓋つきのゴミ箱に消臭剤を合わせて使用しても良いでしょう。一つずつ防臭効果のある袋に入れて捨てるのも、臭い予防のためにおすすめです。

布おむつは環境や赤ちゃんの肌にも優しいです。必要な物品は以下の通りです。

必要なもの

  • 布おむつ…30~50枚程度 自分でカットし縫う反物タイプと、折りたたむだけで使える仕上がりタイプと、たたむ必要がない成型形があります。
  • おむつカバー…サイズは50㎝からあります。太ももまわりにゴムが入っていて長く使えるものもあります。
  • おむつライナー…布おむつの上に一枚敷くシートです。おむつ交換時に捨てるので、お洗濯が楽になります。
  • つけ置きバケツ…布おむつはつけ置き洗濯をしておくことで、汚れが落ちやすくなります。


お風呂グッズ

ベビーバスは空気で膨らませるタイプやシンクで使えるタイプなどがあります。どこで沐浴を行うかを考えて購入しましょう。最近は泡をしっかりとシャワーですすぎ流すことが推奨されていますので、暖かい時期であれば、マットを敷いた洗面台でのシャワー浴もおすすめです。
また、赤ちゃんの保湿は、早い時期から行う事でアトピー性皮膚炎の発症が30%ほど低下するという意見がある一方で※2、保湿とアレルギー予防の関連は不明という見解もあり、更なる研究がすすめられています※3。赤ちゃんの状態をみながら、ご自身の判断で使用しましょう。

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授乳グッズ

皆さんは希望の授乳方法を考えた事はありますか。授乳方法は実施してみないと分からないこともあります。授乳グッズは出産後の様子を見て退院時に購入したり、入院生活中に家族に準備をお願いするのも良いでしょう。初めて授乳グッズを購入する際のポイントをご紹介します。

●哺乳びん

哺乳びんは小さいサイズを購入しましょう。完全母乳の場合哺乳びんは必要ありませんが、搾乳をしたい場合や家族に預ける場合などを考えて、1本あると便利です。
哺乳びんの消毒グッズは、つけ置きタイプや電子レンジで消毒するものなど、様々なタイプがあります。収納スペースなどを考慮して選択しましょう。
哺乳びんを使用する頻度が低い方は、煮沸消毒がおすすめです。哺乳びんはミルクかすが残らないように綺麗に洗浄して乾燥させれば、毎回の消毒は必要ありません(1日1回程度)。※4

●粉ミルク

ミルクの準備も、入院中の授乳の様子を見てからでも遅くありません。キューブタイプなど少量で売っているものを準備しておくと良いでしょう。常温でそのまま飲ませる事ができる液体タイプも販売されています。こちらは防災グッズとして備えておくこともおすすめです。

●さく乳器

基本的には、赤ちゃんがママと離れて過ごす時間が多い場合の使用をおすすめします。母乳をたくさん絞って病院に運ぶ必要がある方にとっては、とても便利です。
注意点は、乳頭をほぐさず絞り続けると、乳頭のむくみや乳腺炎などの乳房のトラブルが起こりやすいことです。搾乳が必要な場合は、手絞りをすることで乳頭も柔らかくなります。使用頻度や搾乳量を考慮して使用しましょう。


寝具

赤ちゃんを寝かせる場所は決めていますか?安全な赤ちゃん専用のスペースを作ってあげましょう。ベビーベッドを選ぶ際は、安全性の基準となる規格のPSCマークとSGマークがついているものを選択しましょう。レンタルを上手く利用するもの良いですね。

最近は睡眠中の安全のため、掛けふとんよりもスリーパーを使用する事が推奨されています。ベビーふとんセットの掛けふとんは取っておき、1歳頃から使用しましょう。敷きふとんも、柔らか過ぎる物は注意が必要です。
スリーパーは睡眠中に寝返りをうっても、はだけることなく保温してくれます。ガーゼタイプや厚手タイプなど、季節に応じて使い分けましょう。枕も0歳のうちは窒息予防のために使用を控えた方が安心です。
そのほかにも、タオルやぬいぐるみなどを赤ちゃんの頭もとに放置せず、すっきりとした睡眠環境で事故を防止しましょう※5。1歳を超えた頃から、お子様本人の好みにも合わせて、枕やおふとんなどで心地よい睡眠環境を作ってあげましょう。

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お出かけグッズ

●チャイルドシート

チャイルドシートは自家用車での退院時から必要です。新生児期から長く使えるものや、1歳から利用できるものなど様々です。どのように使用していくかをイメージして購入しましょう。

●だっこひも&ベビーカー

新生児期から利用できるだっこひももたくさんありますので、産前に購入しておけばご自宅での長時間のだっこも楽になるでしょう。正しい姿勢で上手に抱っこするコツなど、事前にアカチャンホンポのマタニティアドバイザーに相談すると安心ですね。

首がすわっていないのに、縦抱きはしていいの?

いざ赤ちゃんが生まれたら、思った以上に首が不安定なのに驚かれるかもしれません。だからこそ、赤ちゃんの首がすわっていない時期に縦抱きをしてよいか迷う方も多いでしょう。実は注意点を押さえていれば、首がすわっていない新生児期から縦抱きができます。縦抱きするときには2つのポイントに注意しましょう。
①赤ちゃんのおしりは腕全体で支える
縦抱きする際には腕を赤ちゃんのおしりに密着させ、腕全体で抱きかかえます。おしりを手のひらだけで支えると、赤ちゃんの体重が手首に集中してしまうので、手のひらを痛めてしまいます。
また、赤ちゃんの体と抱っこしている人の体が離れていると、不安定ですし、腕が疲れてしまいます。赤ちゃんの体は抱っこしている人の胸に引き寄せるようにして、寄りかからせるようにすると、安定し、疲れにくいです。
②首を支える
生後すぐの赤ちゃんの首は安定しておらず、支えていないと首が左右に動いてしまいます。そのため、赤ちゃんの首がすわるまでは必ず片方の手で赤ちゃんの後頭部を支えましょう。
抱っこ紐を使う場合も、首から後頭部にかけて布の支えがあれば使用して構いません。抱っこ紐によっては使用できる月齢が決められているものもありますので、購入する際には月齢を確認し、必ず使用時期と使用方法を守りましょう。
③赤ちゃんの顔は左右どちらかを向くようにして、鼻や口を圧迫しないように注意しましょう。
赤ちゃんの脚がM字に開かれていない、また無理に引っ張られている場合は、股関節脱臼を起こしやすいです。そのため、しっかりと脚を開いて抱くように注意しましょう。

またベビーカーも収納場所や家族構成によって、購入時期は様々です。ベビーカー選びのポイントとしては、サイズ、操作のしやすさはもちろんですが、生活スタイルに合わせて考えていくと良いですね。


困ったらアカチャンホンポのマタニティアドバイザーを活用しよう!

アカチャンホンポでは、マタニティアドバイザーが皆さんの出産準備をサポートしてくれます。何を買って良いかわからないときには、是非お店で質問してみましょう!

気になることはXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

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参考文献

※1 胎児計測と胎児発育曲線について ,日本産科婦人科学会周産期委員会,2022/4/5閲覧,
https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/PUB/ninken/jsog_20111024.pdf

※2 世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見, 国立成育医療研究センター,2022/4/5閲覧,
http://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic141001-1.html

※3 Maeve M Kelleher, Skin care interventions in infants for preventing eczema and food allergy, Cochrane Database of Systematic Reviews, 05 February 2021
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD013534.pub2/full?fbclid=IwAR3OFSX4YfIuKy7qIsZh5ebM51KmL4RWtX8qD8ie0dZn22mVHg7C2IE3pSA

※4 Frequently Asked Questions on Cleaning Infant Feeding Items, Centers for disease control and prevention, 2022/4/5閲覧,
https://www.cdc.gov/healthywater/hygiene/healthychildcare/infantfeeding/cleansanitize.htmlhttps://www.cdc.gov/healthywater/hygiene/healthychildcare/infantfeeding/cleansanitize.html

※5 0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!, 消費者庁,平成28年10月24日, 2022/4/5閲覧,
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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