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【助産師監修】産後26週(産後6ヵ月)
6-7ヵ月健診に備える赤ちゃんとその家族へ

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産後24週のコラム『お座りができるようになった赤ちゃんとの暮らしを知ろう』でもお伝えしましたが、この時期の赤ちゃんは、体の発達がとても著しいです。
個人差が大きいので、ついつい不安になることもあるかもしれません。そんなときに、専門家に相談できる機会はとても大切です。
今日はそんな時期に実施される、6‐7ヵ月健診についてお伝えしたいと思います。


  • 6-7ヵ月健診は法定健診ではないが、医療機関で行われる事も多い
  • 発達の個人差が大きい時期、その子のペースでの成長を確認
  • 日頃からの成長を記録して相談しやすい準備を!

6-7ヵ月健診の位置づけ※1

乳幼児健診とは、『乳幼児3・4ヵ月健診で安心できる知っておきたいポイント』のコラムでもお伝えしたように、正式には乳幼児健康診査と呼ばれるものです。
「満1歳6ヵ月を超えて満2歳に達しない幼児」に対して行われる1歳6ヵ月健診と、「満3歳を超え満4歳に達しない幼児」に対して行われる3歳児健診が、母子保健法によって定められている法定健診と言います。
法定健診以外にも様々な健診が実施されているのですが、その時期や頻度は市町村によって様々です。
3-4ヵ月児健診はほとんどの市町村で実施されており、次に多いのは9-10 か月児健診です。
今回お伝えする6-7ヵ月健診は、実施する市町村数は多くなく、医療機関でかかりつけ医として独自に実施している健診の実施状況が把握されていないのが現状です。
お住まいの地域でどのような頻度で乳幼児健診が行われているかは、産後の乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業・赤ちゃん訪問)などで地域の保健師や助産師に会った時に教えてもらえることが多いです。
もし事前に知りたい場合は、自治体のホームページを見たり、電話で問い合わせてみましょう。

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6‐7ヵ月健診に行く準備

持ち物
一般的な持ち物は以下の通りです。

  • 母子健康手帳
  • 保険証
  • 受診表や問診票
  • 受診費(医療機関などの任意健診の場合)
  • おむつ
  • 着替え
  • 授乳に必要なもの
  • タオル
  • など

お出かけするときのグッズと変わりませんが、受診の案内がある場合はその指示に従い、忘れ物がないように注意しましょう。待ち時間の間、お気に入りのおもちゃや絵本があると良いですね。服装の指定は特にありませんが、着脱しやすいものが計測や診察の際に便利です。

健診前の情報を整理

人見知りが始まる時期でもありますので、健診の場で大泣きすることもしばしばあります。
問診の際には普段の様子を伝えてくださいね。
専門家に見てほしいと思っている赤ちゃんの様子は、動画を撮っておくと伝えやすいでしょう。
また母子健康手帳などに成長の記録をメモしたり、相談したいことのメモを作っておくとスムーズに話せます。
以下の項目を参考にしながら、心配な方は準備してみてくださいね。

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6-7ヵ月健診ではどのようなことをチェックするの?※2,3

健診では、以下のような項目で赤ちゃんの成長・発達を確認します。

1.成長の評価

  • 身長
  • 体重

2.神経学的な評価※2,3

<粗大運動>
月齢に合わせてこのような項目も見ていきます。

6ヵ月

  • 両足を持ち上げて手で足を覆ったりするか
  • 仰向けからどれくらい体をねじることができるか
  • 少しの間なら支えがなくても座ることができるか
  • うつぶせにすると両手で支えて、おなかの方まで持ち上がるか
  • おもちゃに手を伸ばして取るか
  • おもちゃを一方の手から反対の手に持ち替えるか

7ヵ月

  • 一人で座れるか
  • 両手に持っているもので遊ぶか
  • 腹ばいにすると回転するか

その他にもこのような項目を確認します。

  • 引き起こしたときに、上肢に力が入るか
  • ひざのばねを使えているか
  • お座りの赤ちゃんを横に倒したときに手が出るか
  • 顔にタオルをかけたら手で取るか

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<微細運動>

  • 3cmくらいの積み木をつかむ 親指と他の4本の指を使って握るかどうか

3.聴力

  • 耳の近くで音の鳴るおもちゃを鳴らして、振り向くか

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4.視力

  • 黒目の大きさに左右差がないか
  • 瞳が白っぽくないか
  • 眼の位置がおかしいと思うことはないか

5.社会性

6ヵ月

  • 知らない人を見るとじっと顔を見つめて怪訝そうな顔をするか
  • 保護者の姿が見えなくなると、壁の後ろなど、目に見えていない所も探すか

7ヵ月

  • 声を出して注意を引くか
  • 人見知りをするか
  • 保護者が手を出すと喜んで身体を乗り出すか

6-7ヵ月健診がない自治体はどうする?

任意で医療機関で受けられる場合があります。
かかりつけ医で6ー7ヵ月健診を実施しているか、予防接種を受ける際などに聞いてみると良いでしょう。
成長や発達を医師にしっかりと診てもらうことで、日々の不安を解消できるのではないでしょうか。
いつ頃受診するとよいのか、受診時期についても相談してみましょう。
任意健診の場合は費用がかかることもありますので、その点についても確認しましょう。


健診の機会に困っていることを相談しよう!

この時期は離乳食が始まる時期でもあります。
いざ始めてみると作り方や与え方、授乳との兼ね合いなど「これで良いのだろうか?」と思うこともあるのではないでしょうか。
また、予防接種がスケジュール通りに進んでいない、子育てに関する支援制度を使いたいなど、月齢が進むにつれて悩みは尽きないものです。
是非、健診の際に色んな専門職にお話を聞いてみてくださいね。


いかがでしたか?今回提示した観察の項目も、発達の目安ですので必ずしもクリアしていなければならないという訳ではありません。成長発達の個人差が大きい時期に、お子さんなりに順調に成長しているのか、総合的に診てアドバイスをもらえる場が健診です。

気になることがあれば、いつでもXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター ,乳幼児健康診査事業 実践ガイド,2022/8/24閲覧,
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000520614.pdf

※2 水野克己, 新版 お母さんがもっと元気になる乳児健診~健診を楽しくすすめるエビデンス&テクニック, 株式会社メディカ出版, 2010, p.130-144

※3 西村俊彦, 最新!初めての育児新百科, 株式会社ベネッセコーポレーション, 2020, p.172-173


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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