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【助産師執筆】産後43週(産後10ヵ月)
赤ちゃんの成長に重要!?
靴選びと外遊び

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よちよち歩きの赤ちゃんは見ていてとても可愛いですね。個人差はありますが、生後10ヵ月頃からつかまり立ちや伝い歩きをし始め、早い子では1歳前で一人歩きをし始めます。まだ一人歩きがおぼつかない赤ちゃんにとって、靴選びはとても重要なものとなります。
今回は、赤ちゃんの成長にも大きく関係してくる靴の選び方と外遊びの重要性についてお伝えしていきます。

  • ファーストシューズはどのような靴?
  • 選ぶポイントを押さえて適切な靴選びをしよう
  • 外遊びの重要性を理解しよう

ファーストシューズとは

ファーストシューズは文字通り、赤ちゃんが初めて履く靴のことをさします。初めて外で履かせる靴だと思いがちですが、本来はそうではありません。ファーストシューズはあくまで、「靴に慣れさせるもの」となります。外で歩くための靴の前段階として取り入れられると良いですね。赤ちゃんは今まで素足で生活してきました。足に何かを装着することは赤ちゃんにとって大きなチャレンジになります。中にはいきなり外で履いて嫌がって脱いでしまう子もいます。少しずつ慣れさせる目的でファーストシューズを選択するようにしましょう。ファーストシューズを履かせるタイミングは、赤ちゃんが10歩ほど歩けるようになってからが望ましいとされています。※1


赤ちゃんの足の発達と靴選びの関係性

赤ちゃんの足は大人の足とは異なり、未完成な状態です。赤ちゃんのうちは軟骨や骨の隙間が多く、体が大きくなるにつれてその隙間も埋まり足が形成されていきます。また、足は人間にとって姿勢の基盤となり、立つ時には全体重を支えてくれるとても大切なパーツです。そんな大切な足ですが、赤ちゃんは自分で「ここが痛い」「もっとこうして欲しい」といった気持ちを伝えることはできません。ママやパパがしっかりと気にかけていく必要がありますね。


実際の靴の選び方

お店で足のサイズを確認しよう

まずは靴の専門店で赤ちゃんの足を計測してもらうようにしましょう。デパートやショッピングモールの子ども靴の販売店などにスケールが置いてあることが多く、お店の方が測定してくれます。自宅で計測する方もいるかもしれませんが、活発に動く赤ちゃんを1人で測定するのは至難の業です。ファーストシューズの選択は重要なので、商品知識のあるスタッフに見てもらうようにすると心強いですね。「幼児子どもシューフィッター」という専門家がいるお店もありますので、調べてから店頭に行くのも良いでしょう。※2

足首とかかとが固定できているか確認しよう

赤ちゃんの靴選びで大切なのが「かかと周りをしっかりサポートするものを選ぶ」ことです。
赤ちゃんは足裏の成長よりもかかとの幅の成長の方が遅いです。ですが、販売されている靴はかかと幅が広いデザインのものが多いです。靴のサイズが合っていなかったり、かかとが固定されていないと赤ちゃんの足の指は歩くたびに曲がってしまい、自然に伸ばすことができなくなります。足関節が未完成で歩行が不安定なあいだは履き込みが深く、足首をホールドするハイカットタイプの靴がお勧めです。かかとが不安定な赤ちゃんの歩き方を見ると足元がフラフラしていることが多いです。成長につれて体重が増え、アスファルトの道を多く歩けば膝への負担も大きくなります。怪我の防止、足の負担軽減のためにも足首が固定でき、かかとに芯のある靴を選択するようにしましょう。

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足の甲がしっかりホールドされているか確認しよう

赤ちゃんの靴選びは靴の安定感が大切となってくるのはイメージがついたかと思います。靴を止めるデザインは紐か面ファスナーが理想です。紐靴は足の甲をサポートしやすいことから、靴文化が進んでいるヨーロッパでは皮の紐靴が赤ちゃんの靴には最良とされています。ですが日本では紐の革靴を選ぶことは難しいかもしれませんので、足の甲のサポートを調節できる、大きな面ファスナーがついている靴を選ぶようにしましょう。※1
また靴底の曲がり具合も大切になります。歩く時に足が曲がる部分は、ゆびの付け根部分になります。土踏まず部分は通常曲がることはありません。正しい箇所がきちんと曲がっているか、しっかりと確認をしましょう。

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つま先に余裕があるか確認しましょう

赤ちゃんの靴選びのポイントとして、約5〜8ミリ程度つま先に余裕を持たせることが大切になります。歩くたびに靴の中で足が動きすぎても疲れますし、キツくても足を痛めます。指が動くように多少の余裕を持たせることが必要です。靴を履いた時に靴の上から指で押したり中敷を取り出して足に当てるなどして、つま先に多少の余裕があるか確認をするようにしましょう。


こんな時はサイズが合っていないサインかもしれません

赤ちゃんは足が痛くてもうまく伝えることができません。赤ちゃんが抱っこを頻繁に求める時は、もしかしたら靴が赤ちゃんに合っていないサインかもしれません。赤ちゃんの成長は早く、靴のサイズも定期的に見直す必要があります。ママやパパが意識的に確認して気にかけるようにしましょう。また、お下がりで靴をいただくこともあるかもしれませんが、前に履いていた子の癖が靴に残っていたり、ソールがすり減っている場合があります。
成長においても大切なファーストシューズです。お下がりの靴を履くことは、あまり望ましくはないでしょう。


内履き用と外履き用の違い

赤ちゃんの靴には内履きと外履きの2種類があります。
内履き用の靴は靴下のように布製のものが多いです。また、外履きと大きく違うのが裏地で、内履き用では靴底がクッション性に優れた柔らかい素材が多いです。外履きでは、硬いコンクリートや石を踏んでも大丈夫なように靴底は硬いものとなります。

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外遊びの重要性を認識しましょう

歩けるようになった赤ちゃんに大切にしてほしいのは「外遊びの時間」です。車での移動が多かったり、ベビーカーに頻繁に乗る赤ちゃんが増えており、10年前よりも子どもの足の筋力が低下していると言われています。特に赤ちゃんの頃に外遊びやお散歩に行っていない子は、幼稚園入園の3歳頃でも足の裏は柔らかく、筋肉も少ない足になってしまいます。赤ちゃんの頃は意識していなくても、大きくなったら片足で立てない、真っ直ぐ立てないといった問題が起きるかもしれません。それほどに赤ちゃんからの足育は大切なものとなります。
みなさんはお子さまの外遊びをどのくらいしていますか?1歳半を過ぎたら年齢×1km歩くことが目標となります。運動不足の子は6〜7歳で完成する「土踏まず」がうまく形成されず、運動機能の低下や足が疲れやすくなる原因にもなります。外遊びをすると室内と違い不安定な足場が多く、バランス感覚も良くなりますし、足への刺激は脳への活性化にも繋がります。
他にも、外遊びをすることは赤ちゃんの感性を育てるためにも重要な役割を果たします。室内では出会うことのない植物や動物、落ち葉や水たまりは赤ちゃんの好奇心をくすぐり感性を豊かにしてくれるでしょう。

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外遊びの注意点

外遊びは、予想外の事故やケガの危険性もあります。赤ちゃんと歩く時はママやパパが車道側を歩き、車以外に自転車にも気を配るようにしましょう。車通りのない公園などでも上の年齢の子達と衝突しないように配慮しましょう。また、ちょっとした段差でもつまずくこともあります。赤ちゃんの成長に応じて芝生にするのか、手を繋いで探検にいくのか見極められると良いですね。
赤ちゃんに合った靴を選び、外遊びを満喫してください。アカチャンホンポOnlineshopでも「ファーストシューズの選び方」についてお伝えしています。参考にしてみてくださいね。

気になることはXで「#ミッドワイフコール」をつけてご質問ください。みなさんからの疑問・質問をお待ちしています。

参考文献

※1 伊藤笑子,3歳までの子育ての教科書 必ず知っておきたい19の子育て法 子どもの健やかな成長は、靴選びから始まります!,アスコム,2012,p144-155

※2 塩之谷香、伊藤笑子,〈元気に歩けるための足と歩行を守る靴〉子供の歩容を改善させる靴,日本フットケア学会雑誌,2018,p213-218


記事を執筆したのは…

株式会社With Midwife
代表取締役

岸畑 聖月
きしはた みづき

PROFILE

14歳の闘病の経験から助産師を志す。学生時代に起業を経験し、助産学・経営学を学ぶため京都大学大学院医学研究科に進学。
卒後は助産師として年間約2,000件のお産を支える総合病院に勤務。その後病院の外でもケアが重要と感じ、2019年株式会社With Midwifeを創業。企業に助産師を導入する顧問助産師サービス「The CARE」などを展開する。
現在も病院で勤務しながら、株式会社赤ちゃん本舗や信州大学との連携プロジェクトを統括するほか、公益財団法人大阪産業局で女性起業家支援にも従事。また内閣府主催少子化社会対策大綱における検討会やこども家庭庁に関する大綱創設に関する検討会に有識者として出席している。
W/Storyの全記事を株式会社With Midwifeが執筆・監修。

本記事のイラスト:Junphant

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